Meta広告を触っていると、いつの間にか設定項目が増えていたり、新しいAI機能が勝手にONになっていたりして、「昨日までの画面と違う!」と叫びたくなる瞬間が何度もあります。しかも最近は、AIでの“テキスト生成”や“背景の自動合成”など、「いや、それは別に求めてないんだけど…」という機能が増える増える……。そんなMeta広告の進化(という名の暴走)に、日々ついていく私たち広告運用者は、嬉しさ半分・戸惑い半分、そしてちょっとだけ絶望を抱えています。本稿では、この“ありがた迷惑AIラッシュ”について語ってみたいと思います。
「AIテキスト生成」
最近のMeta広告では、AIが広告テキストを自動で書き換えてくれる「テキスト生成」なる機能が搭載されました。
もちろん、AIが「より魅力的な言い回しにしておきました!」と張り切って手伝ってくれるのはありがたいのですが、問題はその方向性です。
こちらがシンプルに「30日間無料体験」と書いていたはずなのに、AIはなぜか“お得感を増したい欲”を爆発させ、「いまならあなたの人生が変わる30日間が無料で始められます!」などと盛り始めるのです。
いや、そんな怪しい自己啓発感はいらないんです。
こちらは人生を変えるつもりなど毛頭ないんです。
ただ無料体験を案内したいだけなんです。
広告主の意図よりも、AIのテンションが高い。
これこそがMetaの新機能にありがちな“すれ違い”です。

「背景自動追加」
こちらは以前からあったものですが、背景を自動生成するAI拡張が意図せずONになっていることで、意図しない背景が生成され、広告の質感が悪くなってしまうこともありました。
たとえば地味めの文房具をアップしたはずなのに、AIは張り切った結果、突然カリブ海のビーチにシャーペンが立っているという、まったく何を伝えたいのか分からない画が完成することがあります。
また、食品を投稿すれば勝手に高級フレンチ風の背景に、アパレルを投稿すれば唐突に未来都市のCG背景になるなど、「AIよ、なぜその世界観にした?」と思う場面が多発します。
Metaとしては「背景のパターンが複数あったほうがリッチですよ!」という気遣いかもしれません。しかし運用者としては、“リッチ”より“ブランドガイドライン”を守ってくれと切実に思うのです。

まとめ:AIは“便利な自動化”ではなく、これから向き合うべき新しい運用領域
Meta広告のAI機能が増え続ける現状は、単なる“煩わしさ”として片づけられるものではありません。むしろ、広告運用そのものの構造が、静かに、しかし着実に変わりつつある兆候だと受け止めるべきではないかと思います。
これまでは、設定を細かく管理することや、テキスト・画像のパターンを入稿することが広告運用者の仕事であり責任でした。しかしAIがより広く、より深く広告表現に介入するようになるほど、私たちが管理できる範囲は狭まり、逆に“管理すべきポイント”は変質していきます。
これからの広告運用は、AIからの「提案」そのものを抑えつけるのではなく、どの「提案」を採用するか人間が判断する。その取捨選択の設計こそが中心的な仕事になっていくのではないでしょうか。
Meta広告のAIが「勝手に最適化してくる」ことへの小さな不満は、そのまま未来の運用課題の縮図でもあります。
だからこそ、設定画面に増え続けるAI機能にため息をつきながらも、その奥にある「次の時代への予兆」に目を向けていくことが、これからの運用者に求められる姿勢なのではないでしょうか。